作成日:2026/03/12
【2026年12月施行】日本版DBS(こども性暴力防止法)|認可保育施設が準備すべき5つのステップ
2026年12月25日、「こども性暴力防止法(いわゆる日本版DBS)」が施行されます。
認可保育所、認定こども園、幼稚園などの認可施設は「義務対象事業者」となり、従業員の犯罪歴確認や安全確保措置の整備が求められます。
国からはガイドラインや多数のひな形が公表されていますが、「結局、いつまでに何をすればいいのか」が見えにくいという声を多くいただきます。
ここでは、認可施設の施設長・経営者の方が迷わず準備を進められるよう、実務上のポイントを5つのステップで整理しました。
日本版DBSとは
日本版DBSは、こどもと接する仕事に就く人について、特定性犯罪の前科がないことを確認する仕組みです。認可施設では、「支配性・継続性・閉鎖性」の3要件を満たす業務に従事する従業員が確認の対象になります。制度の目的は、こどもの安全を守ることです。同時に、真面目に働いている従業員を理不尽な疑いから守るための仕組みでもあります。この両面を理解しておくことが、現場での運用をスムーズにする土台になります。
いつまでに、何をすればいい?─5つのステップ
施行日は12月25日ですが、すべてをその日までに一気に整える必要はありません。実務上は、「次の採用活動が始まる前」が最初の実質的な期限です。以下の順に進めると、無理なく準備できます。STEP1:自施設の「対象者」を確定する
最初にやるべきことは、誰が犯罪歴確認の対象になるのかを整理することです。対象となるのは、「支配性・継続性・閉鎖性」の3要件を満たす業務に従事する従業員です。典型的には保育士や幼稚園教諭ですが、調理員や送迎担当、長期のボランティアなど、判断に迷うケースも出てきます。
迷った場合は、「安全のために全員」と広げすぎるのではなく、まず確実に要件を満たす職種から優先して整理するほうが、現場の混乱が少なくなります。判断がつかないケースは、後から追加する形で対応すれば問題ありません。
STEP2:採用フローと就業規則を整備する
ここが最初の実質的な期限です。次の採用活動を始める前に、以下を整備します。まず、募集要項・求人票・内定通知書に「特定性犯罪前科がないこと」が採用条件である旨を明記します。次に、就業規則に犯罪歴確認に関する条項を追加し、労働基準監督署へ届け出ます。
これを怠ったまま採用を進めてしまうと、後日もし経歴詐称が発覚した際に、「そもそも採用条件として明示していなかった」という労使トラブルに発展するリスクがあります。書類の整備は地味な作業ですが、最も優先度が高いステップです。
STEP3:日常の「安全確保体制」をつくる
相談窓口の設置と、従業員への制度研修を行います。研修といっても、ゼロから資料を作る必要はありません。こども家庭庁がYouTubeで公式の解説動画を公開しています。「こども家庭庁 こども性暴力防止法について」で検索し、職員会議などで一緒に視聴した上で、「自園の相談窓口の連絡先(誰に相談・報告すればよいか)」を1枚のプリントで共有する形が、最も現場の負担が少ない方法です。
大切なのは、研修の「質」や「量」よりも、「うちの園では、困ったらここに相談できる」という情報が全員に届いていることです。
STEP4:既存スタッフへの説明と誓約書の取得
ここが最大の山場です。国が用意した誓約書のひな形は、法的には過不足のない内容ですが、そのまま「法律だから」と事務的に渡してしまうと、従業員に「疑われているのか」「監視されるのか」という不安や不信感を与えてしまうことがあります。
対策はシンプルです。誓約書を渡す際に、代表者名義の手紙や添え状を一番上に添えてください。内容は、「この手続きはあなたを疑うものではなく、真面目に働いてくれている皆さんを理不尽な疑いから守るためのものです」という趣旨で十分です。
この一手間があるかないかで、その後の職場の空気はまったく変わります。制度の導入は避けられませんが、導入の仕方は選べます。
STEP5:GビズIDの確認と運用体制の準備
認可施設の場合、犯罪歴確認に使うシステムへの施設情報の登録は、自治体経由での一括登録(まとめ登録)が行われる予定です。そのため、焦って自園で複雑なシステム構築に走る必要はありません。ただし、1点だけ今のうちに済ませておくべきことがあります。国が提供する法人共通の認証アカウント「GビズID(プライム)」の取得です。システムへのログインにはこれが必須となるため、まだ取得されていない法人は、自治体からの案内を待つ間に、このID取得の手続きだけは先に終わらせておきましょう。
あとは、確認結果の取扱記録をどう管理するか(紙かデータか、誰がアクセスできるか)を決めておけば、施行日を安心して迎えられます。
対策を始めるにあたって大切なこと
日本版DBSは、こどもの安全を守るための制度です。その目的に異論を挟む人はいないでしょう。しかし、現場で実際に制度を運用するのは、施設長であり、そこで働く従業員です。法律を守ることと同じくらい、「これまで一緒に頑張ってきた従業員との信頼関係を守ること」が大切です。
制度の導入を、「管理を強化するもの」ではなく、「こどもも従業員も守るための仕組み」として位置づけること。書類を渡す前に、まず言葉で伝えること。この順番を間違えなければ、制度は職場の安心の土台になります。
焦らず、静かに、確実に。それが、現場の空気を壊さない導入の進め方です。
書式をキットにまとめました
当事務所では、認可施設の施設長・経営者の方が、国のひな形をゼロから整える手間を省き、現場の空気を壊さずに制度を導入できるよう、実務書式一式をキットとしてまとめています。キットには、代表者からの手紙・添え状、伝え方トークスクリプト&Q&A、就業規則改定案、対処規程、情報管理規程、誓約書、意向確認書などを収録しています。
なお、「自園の規模に合った規程の選び方が分からない」「あのベテラン従業員にはどう伝えればいいか相談したい」という場合は、スポット業務としてオンラインでの個別作戦会議もお受けしています。
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