作成日:2026/08/03
台風で従業員を休ませた日、給料は払う?払わない?
台風が接近すると、
経営者や管理職の方から、
こんな相談をいただきます。
「危ないから休みにしたいが、
その日の給料はどうなる?」
「従業員が
『電車が止まって来られない』
と言ってきた。これは欠勤扱い?」
自然災害は突然やってくるうえに、
給料の扱いを間違えると、
後で「あの日の分は?」という
不満やトラブルにつながりかねません。
でも、落ち着いて整理すれば、
判断のポイントはそれほど多くありません。
順番に見ていきましょう。
分かれ目は「誰の判断で休んだか」
台風の日の給料を考えるとき、
まず押さえたいのは、
「組織の判断で休ませたのか」
「従業員が自分の判断で休んだのか」
という区別です。
ここが、給料の扱いを分ける
一番大きな分かれ目になります。
ざっくり言うと、
・組織側の都合や判断で休ませた場合
→ 給料(休業手当)の問題が
出てくることがある
・従業員側の事情で出勤できなかった場合
→ 欠勤や有給休暇など、
扱いが変わる
同じ「台風で休んだ」でも、
どちらの判断だったかで結論が変わる、
ということです。
ケース@:
組織の判断で休みにしたとき
「危険だから、今日は全員休みにしよう」
このように、
組織側の判断で従業員を休ませた場合、
休業手当の支払いが必要になる
ことがあります。
使用者側の都合で仕事を休ませたときは、
一定の手当が必要、というのが
基本的な考え方です。
ただし、台風のような自然災害が
「使用者の責任」と言えるかは、
状況によって判断が分かれます。
交通機関の状況、危険の程度、
在宅勤務などの代替手段があったかどうか、
こうした事情によって結論が変わるため、
「台風なら必ず払わなくていい」とも
「必ず払う」とも言い切れないのが
実際のところです。
ケースA:
従業員が自分の判断で休んだとき
一方、組織は通常どおり営業しているのに、
従業員が
「電車が止まっている」
「子どもの学校が休みになった」
といった理由で出勤できなかった場合。
これは本人側の事情による
欠勤に近い扱いになります。
ノーワーク・ノーペイ
(働いていない時間分の賃金は発生しない)
が基本的な考え方です。
ただし、これも杓子定規に
「欠勤だから無給」と処理すると、
「こんな危険な日に無理に来いというのか」
という不満につながります。
有給休暇に振り替える、
在宅対応を認めるなど、
運用の工夫で納得感を保つことができます。
大事なのは
「その日」ではなく「事前の取り決め」
台風のたびに毎回ゼロから判断していると、
対応がぶれて、
「前回はこうだったのに」という
不満が生まれやすくなります。
一番効くのは、
災害時の対応ルールを、
あらかじめ決めておくことです。
・どういう基準で休業を決めるのか
(警報の発令など)
・休業時の給料の扱い
・従業員が自主的に休む場合の扱い
(有給への振り替えなど)
・在宅勤務が可能な場合の対応
これらを平時に決めておけば、
台風が来るたびに慌てずに済みますし、
従業員も「うちはこういうルール」と安心できます。
まずは「次の台風」を想定してみること
災害時の対応は、
「起きてから考える」と、
どうしても後手に回ります。
まずは、
「もし来週、
大きな台風が来たら、うちはどうする?」
と一度シミュレーションしてみてください。
そこで
「判断基準が曖昧だな」
「給料の扱いを決めていないな」
と気づけたら、それが準備の第一歩です。
一つずつ決めておけば、次の台風は、
少し落ち着いて迎えられます。
台風など自然災害時の対応は、
給料の扱いだけでなく、就業規則の定め方や、
従業員の安全と納得感ともつながっています。
「台風のときの給料の扱いに毎回迷っている」
「災害時のルールを、事前に整えておきたい」
「在宅対応も含めて、
無理のない仕組みをつくりたい」
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