作成日:2026/07/27
最低賃金が上がる。うちの組織は何をすればいい?
毎年この時期になると、
「今年も最低賃金が上がるらしい」
「うちは、何か対応が必要なんだろうか」
という声を、
経営者や管理職の方から
いただくようになります。
ニュースでは
「過去最大の引き上げ」といった
見出しが並びますが、
自分の組織にとって
具体的に何をすればいいのかは、
意外と分かりにくいものです。
「うちは最低賃金ぎりぎりの
人はいないから関係ない」
そう思っていたら、実は影響があった...
というケースも少なくありません。
まずは、
慌てず順番に確認していきましょう。
最低賃金は「知らなかった」では済まない
最低賃金は、使用者が
最低限支払わなければならない
時間あたりの賃金です。
これを下回る賃金は、
たとえ本人が同意していても
法律上は無効となり、
差額の支払い義務が生じます。
そして、毎年10月ごろに
金額が改定されます。
つまり、
去年は問題なかった賃金額が、
今年の改定で下回ってしまうことがある、
ということです。
「うちは前から同じ時給だから大丈夫」
というのは、実は一番危うい考え方です。
金額のほうが毎年上がっていくからです。
まず確認したい、3つのこと
対応と言っても、
一気にあれこれやる必要はありません。
まずは、この3つを確認するところから。
(1)改定後の金額を下回る人がいないか
今の時給が、
改定後の最低賃金を下回らないかを
確認します。
特に、パート・アルバイトの方は
影響を受けやすいので、
一人ずつチェックします。
(2)月給の人も、実は要注意
「うちは月給制だから関係ない」
と思われがちですが、
月給を時間あたりに換算すると、
最低賃金を下回っていた、
というケースがあります。
月給から、
最低賃金の対象にならない手当を除き、
月の所定労働時間で割って、
時間単価を出して確認します。
(3)上げる場合、周囲とのバランスも見る
最低賃金に合わせて
一部の人の時給を上げると、
「自分のほうが長く働いているのに、
新人と時給が変わらない」
といった不満が出ることがあります。
金額だけでなく、
既存の従業員とのバランスも見ておくと、
後の不満を防げます。
「ぎりぎり合わせる」だけでは、
済まないこともある
最低賃金への対応というと、
「下回っている人を、
ちょうど最低額まで上げる」
という発想になりがちです。
もちろんそれで法的な義務は果たせます。
ただ、先ほどの(3)のように、
一人の時給を上げると、
その上の人との差が縮まり、
組織全体の賃金バランスが
崩れることがあります。
「言われたから最低額に合わせた」
だけで終わらせると、
翌年また同じことを繰り返し、
気づけば賃金体系がいびつになっている...
ということも起こります。
毎年のことだからこそ、
その場しのぎではなく、
「うちの賃金は、
どういう考え方で決めているのか」
を一度整理しておくと、
毎年の対応がぐっと楽になります。
後回しにすると、どうなるか
最低賃金の改定は、
発効日が決まっています。
その日以降、
下回った賃金を払っていれば、
それは未払いとなり、後から差額を
請求される可能性があります。
「気づいたのが遅れて、
数か月分さかのぼって
支払うことになった」
これは、避けようと思えば避けられる
トラブルです。
改定額が公表されたら、発効日までに、
先ほどの3つを確認しておく。
これだけで、慌てずに済みます。
最初の一歩は、「一人分」の確認から
最低賃金の対応は、
全員分を一度に、と思うと
腰が重くなります。
まずは、
「一番時給が低い人」一人分だけ、
改定後の金額と比べてみてください。
そこがクリアできているか、危ういか。
それが分かるだけで、
組織全体の状況がだいたい見えてきます。
そこから、
必要な範囲を広げていけば大丈夫です。
最低賃金への対応は、
単に金額を合わせるだけでなく、
組織全体の賃金バランスや、
従業員の納得感ともつながっています。
「下回っている人がいないか確認したい」
「賃金体系を毎年慌てない形に整えたい」
「時給を上げたときの、
他の従業員への影響を整理したい」
そうしたテーマを、制度面と
現場の空気の両方から整理したい方は、
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