職場環境づくりのヒント
職場環境づくりのヒント
作成日:2026/07/20
従業員が「しんどい」と言ってきた。休職の前にできること



「最近、様子がおかしい」

「『しんどいです』と打ち明けられたが、
 どう返せばいいか分からなかった」

中小企業の経営者や管理職の方から、
こうした相談が増えています。

メンタル不調は、
体調不良と違って目に見えにくく、
「どこまで踏み込んでいいのか」
「下手なことを言って悪化させたらどうしよう」
と、対応する側も不安になります。

その結果、
腫れ物に触るようになってしまったり、
逆に「気の持ちようだよ」と
励ましすぎてしまったり。

どちらも、本人を思ってのことなのに、
かみ合わないことがあります。

まずお伝えしたいのは、
完璧に対応しようとしなくていい、
ということです。

専門家でなければ
できないこともありますが、

職場だからこそできることも、
たしかにあります。



「治す」のは職場の仕事ではない

最初に、大事な線引きをひとつ。

メンタル不調そのものを
診断したり治療したりするのは、
医療の役割です。

上司や経営者が
カウンセラーになる必要はありませんし、
なろうとしないほうがいい。

職場に求められているのは、
「治すこと」ではなく
「悪化させない環境をつくること」
そして「専門家につなぐこと」です。

この線引きがあるだけで、
「自分がなんとかしなければ」という
過剰なプレッシャーから少し解放されます。



「しんどい」と言われたとき、
まずやること

打ち明けてもらえたということは、
それ自体が、ある程度の
信頼がある証拠です。

その瞬間に大切なのは、
アドバイスより先に、
まず受け止めること

「話してくれてありがとう」
「気づかなくてごめん、つらかったね」

解決策を提示する前に、
この一言があるかないかで、
本人の安心感は大きく変わります。

やりがちなのは、
すぐに原因を探ろうとしたり、
「もっと早く言ってよ」と返してしまうこと。

悪気はなくても、
本人は「言わなければよかった」
と感じてしまいます。

まずは、聞く。
そして、否定しない。

それだけで十分に意味があります。



踏み込みすぎず、放置もしない

次に迷うのが、
「どこまで聞いていいか」です。

プライベートな事情に
深入りするのは避けたいですが、
かといって「無理しないでね」だけで
終わらせると、放置になります。

ちょうどいいのは、
原因を詮索するのではなく、
仕事の面でできる調整を一緒に考える
という関わり方です。

「今、特に負担に感じている業務はある?」

「一時的に、
 量やペースを調整できるところはある?」

こう聞くと、本人も答えやすく、
上司としても現実的に手を打てます。

原因の解決ではなく、
今の負荷を少し軽くする。

これが、
職場にできる具体的な支援です。



「専門家につなぐ」は、
見捨てることではない

状態によっては、
職場の調整だけでは
追いつかないことがあります。

「眠れていない」「食欲がない」
「以前できていたことができなくなっている」

こうしたサインが見えたら、
専門家につなぐタイミングです。

産業医がいれば産業医へ、いなければ
地域の産業保健窓口や医療機関への相談を、
本人にそっと促す。

ここで大事なのは、
「専門家に相談してみよう」を、
突き放しではなく、
一緒に考える姿勢で
伝えることです。

「一人で抱えなくていいように、
 専門の人にも入ってもらおう」

この伝え方なら、
本人は見捨てられたとは感じません。



休職は
「終わり」ではなく
「選択肢のひとつ」

「休職」と聞くと、
本人も周囲も身構えますが、これは
回復のための時間を確保する手段であって、
退職とは違います。

慌てて結論を出すより、
主治医や産業医の意見を踏まえ、
段階的に判断していくのが安全です。

そして、休職の制度や手続きは、
就業規則の定め方によって
対応が変わります。

「どのタイミングで、
 どんな手順を踏むべきか」は、
後々のトラブルを避けるためにも、
早めに整理しておくと安心です。



まずは「気にかけている」を伝えること

メンタル不調への対応は、
専門知識がないと何もできない気がして、
つい構えてしまいます。

でも、職場にできる最初の一歩は、
とてもシンプルです。

「あなたのことを気にかけている」
と伝わること。

それが、
本人にとっての安全基地になります。

制度や手続きは、そのうえで
落ち着いて整えていけば大丈夫です。



従業員のメンタル不調への対応は、
本人への関わり方だけでなく、
・休職制度の整備
・職場全体の負荷のかかり方
ともつながっています。

「打ち明けられたが対応に迷っている」
「休職の手順や就業規則を整えておきたい」
「職場の負担を見直して、
 不調が続かない環境をつくりたい」

そうしたテーマを、制度面と
現場の空気の両方から整理したい方は、
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