ある年の10月後半、
年末の繁忙期を乗り切るための
対策会議が行われた。
参加者は、
社長、役員、各部門の責任者の計5名。
特に重要視されたテーマは、
【繁忙期の残業の削減】
である。
なぜなら、毎年11月、12月は、
・残業代の支払い増加による経営の圧迫
・残業の長時間化による
体調を崩す社員のフォロー
・注意力低下によるミスの増加
など、
長時間残業が引き金になっていると考えられる
問題がよく起こるからである。
そこで、この日の対策会議でも、
残業を減らすための議論が交わされた。
そして決定された対策は主に3つ。
@残業はどんなに遅くとも22:00までとする
A早く帰る社員は、残っている社員に
手伝えることがないか確認して帰る
B各チームのリーダーは、
メンバーの帰社時間を毎日確認する
ということに。
対策会議が終わった後、
全社員を集めた会議の場で先程決まった
3つの対策を説明したところ、
とくに反対や批判は出ない。
そしていよいよ繁忙期へ…
繁忙期に入ってからも、
社長、役員、部門責任者などが
社員よりも先に帰社する場合はできる限り、
「早く帰れるようにみんな頑張りや〜」
との声かけを忘れない。
そして繁忙期が終わり
残業時間を集計してみると、
【前年同期比で15%の削減を達成!】
経営陣は対策がうまくいったと大喜び。
しかし、その3ヵ月後、
複数の社員から退職届が提出される…
【この繁忙期に、
社員に一体何が起こったのでしょうか?】
実は繁忙期の間、
・帰社時間を設定されたことで仕事が終わらず
持ち帰って家でやる作業が増えていた
・自分の仕事が全て片付いたわけじゃないけど
今日だけ少し早く帰ろうと思っていたのに、
残っている社員に声かけしたところ
手伝うことになった
・早く帰れるように頑張れ、と言われても
そもそも早く帰りたいと思って頑張ってる
といったことが起こっていたらしい。
でも、結果として
残業時間の削減は達成できた。
【この対策と結果、
みなさんはどの様に感じられますか?】
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作成日:2019/11/03
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