こんにちは、岸本です。
最近、こんな相談をよく受けます。
「人事評価制度を導入したいんだけど、
なかなか導入に踏み切れない」
みなさんの会社では、
人事評価制度を導入されているでしょうか?
今回は、
・人事評価制度の導入が進まない
・導入はしたけどうまく機能していない
その原因について、
事例を交えながらお伝えしていきます。
■人事評価制度を導入するきっかけ
人事評価制度を導入されるきっかけは
実に様々ですが、特によく聞くのが、
「給与や待遇の不公平感を解消したい」
というものです。
これは、評価制度がない場合に
社員の働きに関係なく昇給や賞与が一律となり
頑張ってる社員も頑張ってない社員も同じでは
不公平だということを言われているものです。
実際、相談を受ける会社の社長からも
「社員数が増加してきて、
働き具合に差があっても給与が同じなのは
不公平感がある」
「もっと頑張ってくれる社員を
評価して待遇をよくしてあげたい」
という声をよく聞きます。
■人事評価制度導入に踏み切れない理由
それだけの思いがありながらも、
評価制度導入に踏み切れないのはなぜでしょうか?
そこで、社長に
「なぜ評価制度の導入に踏み切れないのですか?
方法が分からない?それとも時間がない?」
と尋ねると
「方法や時間の問題もあるにはあるが、
自社で人事評価制度がうまく機能するか
分からない。
そもそも自社に合った人事評価制度が
どんなものかイメージできない」
といった答えが返ってきます。
つまり、
「漠然と、人事評価制度を導入すれば
頑張ってくれた社員を評価できる様になる
とは思っているけど、具体的に自社に合った
評価制度がイメージできず、
なかなか重い腰があがらない」
という状態です。
これは仕方のないことだと思います。
そもそもイメージできないものに
エネルギーを注ぐことを多くの人は躊躇します。
しかし、躊躇したまま行動をしなければ、
いつまでたっても前に進めませんよね。
こうした状況から少しでも前に進むためには、
導入するかどうかは一旦置いておいて
とにかく自社なりの評価制度をイメージしてみる
ことです。
イメージするだけなら、
失敗することも、社員から反発されることも
ありません。
これまでの
「イメージできない」
から
「できるところだけでもイメージしてみよう」
という思考のシフトチェンジが必要です。
■自社に合った評価制度の内容
自社なりの評価制度を
とにかくイメージしてみることに決めたら、
もう一度、
「なぜ評価制度を導入したいのか?」
を思い出しましょう。
これが人事評価制度を導入する『目的』になります。
先程の例では、
「頑張ってくれる社員を
評価して待遇をよくしてあげたい」
というのが人事評価制度の導入目的となります。
そして、
・「頑張ってくれる」とは具体的にどういうことか
を深掘りしていきます。
例えば、
会社の「業績向上」に繋がる成果・働き・言動・思考
をしてくれること、など。
さらに、
・「業績向上」とは具体的にどういうことか
を考えます。
例えば、
自社の今年、来年、数年後の売上、利益など。
まとめると、
この会社の人事評価制度について、
【目的】は、
頑張ってくれる社員を
評価して待遇をよくしてあげること
(頑張らない社員はその逆)
そして、
【内容】は、
自社の今年、来年、数年後の売上、利益、
事業展開などビジョン実現に繋がる
成果・働き・言動・思考
(=頑張ってほしいこと)を、
社員の給与・役職・業務内容・処遇等と
連動させる
というのが制度設計の概要になります。
■人事評価制度導入の問題点
注意が必要なのは、
人事評価制度の内容は目的に従う
ということです。
つまり、人事評価制度導入の目的が変われば
制度設計や中身も変わってきます。
そして、人事評価制度の目的は多くの場合、
会社のより大きな経営戦略に従うので
1つの形に固定できず、
いつの間にか
導入目的とはズレた内容の
人事評価制度を導入している
ということがよく起きています。
実は人事評価制度の『問題点』はここにあります。
・主体性の発揮を期待したいのに、
従順に従うことを良しとする制度になっている
・「自社」への貢献を期待したいのに、
「他社」で良しとされている項目で評価している
・他人に進められるがまま、
根拠のない評価項目でとりあえず埋めている
こうした目的と内容がズレている場合、
効果がないどころか、
本来望んでいない組織風土や環境をつくる
原因になってしまうこともあるので
注意が必要です。
以上、事例を交えながら
人事評価制度の目的と問題点について
お伝えしてきました。
もし、人事評価制度の導入に迷われている方は
安易に外注先に制度設計を丸投げせず
「なぜ評価制度を導入したいのか?」
を深掘りすることをおすすめします。
その他の記事一覧へ ▶▶