作成日:2025/02/09
人材育成計画の落とし穴:労務リスクを防ぐための必須ポイント
●はじめに:人材育成と労務管理の関係
企業の成長には、人材育成が不可欠です。しかし、「育成プログラムを設計したが、労務管理の視点が抜けていた」となると、トラブルを招く可能性があります。たとえば、未払い残業の発生、労働契約違反、パワハラリスク などが挙げられます。
本記事では、労務リスクを避けながら、適切な人材育成計画を作るためのポイントを解説します。
●人材育成計画の設計時に考慮すべき労務リスク
(1) 労働時間管理:研修時間は労働時間に該当するか?
従業員に研修やセミナーを受講させる場合、それが「労働時間」に該当するかどうかを考慮する必要があります。
労働時間に該当する例:
- 業務の一環として、上司の指示で参加する研修
- 業務時間内に行われ、出席が義務付けられている場合
- 自発的なスキルアップのための外部セミナー
- 休日に個人の意思で参加する勉強会
【注意点】
「自主的な参加」としているにも関わらず、実質的には強制参加になっている場合、労働時間と判断される可能性があります。未払い残業代のリスクを防ぐため、ルールを明確にしましょう。
(2) 賃金・手当の取り扱い:育成期間中の給与はどうする?
人材育成計画では、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)や外部研修を活用することが一般的です。その際、給与や手当をどう処理するかも重要なポイントです。
よくある問題:
- 試用期間中の育成プログラムを理由に、給与を本採用後より低く設定してしまう(最低賃金違反の可能性)
- 研修期間中は「手当なし」としていたが、労働時間とみなされ、未払い賃金が発生する
- 研修・教育期間の賃金規定を就業規則や雇用契約書に明記
- 最低賃金を下回らないように注意
(3) ハラスメント防止:育成中のパワハラ・モラハラを防ぐ
若手社員や新入社員の育成では、先輩社員が指導を担当することが多いですが、教育とハラスメントの境界線が曖昧になることがあります。
ハラスメントと指導の違い:
○ 適切な指導:「業務に必要なスキルを分かりやすく伝える」
× ハラスメント :「人格を否定する言葉を使う」「過度な叱責をする」
対策:
- 育成担当者向けのハラスメント研修を実施する
- フィードバックの仕組みを整備(定期的なアンケートや1on1ミーティング)
●人材育成計画を労務リスクなく運用するためのポイント
- 就業規則や労働契約書に「育成」に関するルールを明記する
- 研修・OJTの労働時間該当性をチェックし、適正な賃金を支払う
- 指導担当者向けにハラスメント防止の研修を実施する
- 育成プログラムが長期間にわたる場合、適切なフォローアップを行う
●まとめ:労務管理と育成はセットで考えるべき!
「人材育成を強化したい!」という企業は多いですが、その際、労務管理を軽視するとリスクが発生する可能性があります。
人材育成をスムーズに進めるために、
- 労働時間管理
- 賃金・手当の設定
- ハラスメント対策
労務リスクを防ぎながら、人材が安心して成長できる環境を作ることが、企業の持続的な発展につながります。
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